<書籍>徹底マスター 空気線図の読み方・使い方 改訂2版

建築設備の専門書
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基本データ

タイトル  : 徹底マスター 空気線図の読み方・使い方 改訂2版

著者    : 空気調和・衛生工学会[編]

出版社   : オーム社

発売年月  : 2019年10月20日

定価金額  : 2,800円+税

コスパ   : ★ ★ ★ ☆ ☆

情報量   : ★ ★ ★ ☆ ☆

最新/唯一性 : ★ ★ ☆ ☆ ☆

読みやすさ : ★ ★ ★ ☆ ☆

わかりやすさ: ★ ★ ★ ☆ ☆

(見方💡)
 コスパ    : 価格に対しての満足度
 情報量    : ページ数や載ってる専門情報量(物理量)
 最新/唯一性 : 他の本には載ってない様な新しさがあるか?
           載ってる情報そのものが古くないか?
 読みやすさ   :  本の構成やデザインが見やすいか?(写真・図・表)
 わかりやすさ :  頭に入りやすい内容か?

概要

本書は1998年に発売された同タイトル「徹底マスター 空気線図の読み方・使い方」の

”21年ぶり”の改訂第2版 をなっています。(下図 第1版 愛用してました)

空気線図ってなに?なにに使えばいいの?

”はしがき”より、空気線図は「空気調和技術に不可欠の基本的ツールである」と説明されています。

実際どんなもの?簡単に言うと、”空気の状態変化を表現・読み取れるグラフ” のことです。(下図)

なんか線がいっぱい引いてあってどこみたらいいの?

おそらく最初にみた人は、そんな感想をもつでしょうが、

実はこの1枚のグラフで色んなことを読み取れる”超便利グッズ”なのです。

本書は、「空気線図」を使いこなす教科書として様々ば場面で活用いただける本となっています。

本の構成

本書は、「空気線図の読み方」だけではなく、

「機器の解説」や「伝熱の基礎(湿球温度・顕熱潜熱移動)」などの、

”空調分野全般に役立つ知識”がとりそろえられています。

第1章 乾き空気と湿り空気
 1・1 混合気体としての空気
 1・2 乾き空気と湿り空気の物理的性質
 1・3 乾湿球温度および湿度の表し方
 1・4 湿り空気線図(=空気線図)
第2章 空調プロセスの湿り空気線図上での表現
 2・1 単位操作の空気線図上での表現
 2・2 空調プロセスの空気線図上での表現
 2・3 湿り空気関連現象
 2・4 快適温熱環境
第3章 空気調和システムと空気線図
 3・1 空調方式と空気線図
 3・2 温湿度制御と空気線図
 3・3 空調関連機器との選定
第4章 空気調和システムの応用
 4・1 代表的な空調システムの構成
 4・2 空調システムの応用例
第5章 湿り空気関連の熱および水分伝達の基礎
 5・1 熱移動と物質移動の概要
 5・2 壁面と空気の間の熱伝達と水分伝達の計算
 5・3 水面と空気の間の熱移動計算
 5・4 熱通過の計算
 5・5 熱交換器に関する伝熱計算

また、「空気線図の使い方」自身は変わっていませんが

第2版では、近年の流行や社会情勢に配慮した”情報の追加”(改訂)がされています。

ガラっとかわっていることはありませんが、第1版を持っている方にも買い替えでオススメです。

(1番大きいのは第5章の追加です)

初版から追加された改訂ポイント
1. 環境・エネルギー問題の深刻化と空調技術者の貢献への期待に配慮
2. 省エネ関連情報の重視
3. 新しいシステムの解説を重視
4. 設計(最大負荷)時だけでなく制御(部分負荷)時の湿り空気の状態変化なども重視
5. 完全SI化に対応
6. 失敗事例、環境・エネルギー問題など、コラム記事の充実
7. 湿り空気に関わる水分移動を伴う伝熱に関する新しい章の創設

良かった点

「コスパ」「読みやすさ」「分かりやすさ」 ☆☆☆3点と、

この評価軸でみると、いいとこ無しに見えてしまいましたが、

そんなことは無く、とてもいい本なのでポイントを説明します。

良かった点
① 空気線図の教科書として、これ以上ない”最適なバイブル本”
② 空気線図をとおして、”空調システムの仕組み・計算方法”の理解が深まる
③ 空気線図をとおして、熱移動の原理・原則を学べる

いまいちだった点

今回評価に悩んだ末、「最新/唯一性」 ☆☆ は 2点 としました

空気線図に特化した本は他には無いのですが、”載っている情報自体は色んな参考書にある”

そのため今回は高評価にしませんでした。 ただし、この1冊に集約されている点は

すごく良いところなので裏返しの結果ともいえます。

いまいちだった点
① 載っている情報自体は、他書籍を集めれば取得できる情報が多い
② 空気線図・コイル計算ができるエクセルデータ付録があれば
  もっと活用の幅が広がったかもしれない

まとめ

「空気線図」の読み方・使い方の解説本ということで、

”原理・原則”の基礎知識から、”空調システムの計算”(応用編)まで

幅広く学べる良書となっています。

対象も、若手からベテランまで、そして長く使用していける本なので

是非1冊持っておきたい本だと思います。

まとめ

① 「空気線図」の読み方・活用の仕方が、1つ1つ丁寧に解説されている

② 「空気線図」をとおして、空調分野の基礎から応用まで1冊で学べる

③  空気線図・コイル計算ができるエクセルデータ付録があればもっと良かった

感想と独り言

空気線図は、「温度と湿度」の関係のグラフだ!と最初は思ってしまいますが

(それもそれで間違いではないものの)

読めば読むほど、深くて色んな情報が知れて、世界が広がるので面白いと思います。

今はパッケージ空調の設置が多いので、空気線図に触れる機会が減っているのが

大きな原因なのでしょう。

私も本書購入のきっかけとなったのが、

コイル計算・エアハンドリングユニットの設計に

必要だと感じたからです。

あまり触れませんでしたが、改訂2版は、

フォントや色使いなどもすごく見やすくなっているので

初版をお持ちの方も是非買い替えの検討をしてみてください。

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