(見方💡)
コスパ : 価格に対しての満足度
情報量 : ページ数や載ってる専門情報量(物理量)
最新/唯一性 : 他の本には載ってない様な新しさがあるか?
載ってる情報そのものが古くないか?
読みやすさ : 本の構成やデザインが見やすいか?(写真・図・表)
わかりやすさ : 頭に入りやすい内容か?
概要
「電気工事に携わる技術者」「ビル管理技術者」
「電気設備の設計者」 「電気専門分野の学生」 へ向けた、
「電気設備の設計・施工実務の入門書」となっています。
電気設備の設計・施工・維持管理の実務において役立つポイントを
初心者にもわかりやすく”図・表”を豊富に用いて解説されています。
また、”建築設備士”の資格取得の受験参考書にもなるように考えて、
編集されているとのことで、”電気設備に関わる方に幅広く活用”いただける本となっています。
本の構成
大きく3つの章に分かれています
第1章は、「建築設備の設計」として、延べ床面積 10,000㎡以下のビルにおける
”図面の作成と表現” を想定してまとめられています。
第2章は、基本計画図・設計図・施工図の作成に必要な”計算方法”を
図・表・事例でまとめられています。
第3章は、実務経験の少ない人に参考となるように、
各設備の”施工図例”などの資料が掲載されています。
1. 建築電気設備の設計 1.1 作図の準備 電気設備の設計図/建築図面の入手と見方/建築図面の略号と図記号/ 電気設備平面図の作り方/確認申請に必要な図面 1.2 電力設備1 電灯コンセント設備 照明の設計手順と規定/光源の種類と特性/照明器具の種類/照度の計算/ 照明器具の配置と器具選定の目安/スイッチの種類と設計/ 天井配線の方法と表現方法/非常用照明と誘導灯の配線設計/ コンセントの種類と設計/伝統コンセント用分岐回路の設計/伝統コンセント配線 分電盤図/照明器具図 1.3 電力設備3 その他の電力設備 動力配線図/制御盤図/幹線設備図/受変電設備図/発電機設備図と蓄電池設備図/ 避雷設備図/エレベータ設備図 1.4 情報通信設備 電話設備の設計/電話配管図/その他の弱電設備図/弱電設備系統図/ 自動火災報知設備図 1.5 資料例 工事の区分/設計図のチェックリスト/その他資料 2. 建築電気設備の実務計算 2.1 設備容量の算定 電気設備の概算容量(1)/電気設備の概算容量(2)/契約電力容量/ 電灯コンセント用変圧器容量/動力用変圧器容量/コンデンサ容量/ 発電機容量/蓄電池容量 2.2 回路の計算 高調波流出電流と高調波抑制対策/短絡電流/幹線の電圧降下/ 動力用幹線電流と幹線太さ/集合住宅の幹線電流/電線・ケーブルの許容電流/ 幹線分岐/CVケーブルの地絡電流と短絡許容電流/バスダクトの電圧降下・ 短絡電流・漏洩磁束/不平衡電流 2.3 照明の計算 平均照度法/非常用照明 2.4 情報通信設備の計算 電話回線数・配管概略算定法と放送設備/テレビ共同受信システム 2.5 部材と強度の計算 耐震用アンカーボルト/プルボックス/ケーブルラック/ 避雷突針支持管の風圧強度/接地抵抗 2.6 その他の電気設備の計算 エレベータ/その他電気設備計算実務 3. 図例集 3.1 電気の引込み 高圧配電架空引込み/高圧配電地中引込み/高圧配電用高圧キャビネットの据付/ 低圧配電引込図 3.2 受変電設備 キュービクル変電設備の設備図/キュービクルの各部寸法と重量/ キュービクル基礎部分 3.3 発電機設備 発電機の設備図/防災用ディーゼルエンジンの冷却方式 3.4 幹線設備 幹線の横引き部分/集合住宅の幹線シャフト/防火区画の耐火処理/ エキスパンション部分の配線 3.5 動力設備 電動機への配線/電極の取付けと配線/動力制御盤の取付けと屋外への配線 3.6 電灯コンセント設備 床埋設配管/分電盤の取付け/分電盤周辺の配線/床配線/ ホテルの客室電灯配線/ホテルの間仕切壁の遮音対策配線/ 寮室の電灯コンセント配線/プレハブユニットケーブルの配線/ 病室のユニットケーブル配線/和室のコンセント取付け/ 工場の防爆配線/クリーンルームの電灯コンセント配線/ クリーンルームの電気設備取付け/クリーンルームの照明器具 3.7 電話設備 電話架空引込み/電話地中引込み/光ファイバーケーブルの引込み/ 電話用屋内配管 3.8 視聴覚設備 ホールの電灯配線/ホールのAVシステム/ホールのAVシステム配線/ 視聴覚室のAVシステム 3.9 テレビ共同受信設備 テレビ共同受信設備系統/テレビアンテナの取付け 3.10 セキュリティ設備 自動火災報知設備の感知器の取付け/光電式分離型煙感知器の取付け/ 防犯センサの取付け 3.11 避雷設備 避雷設備の各部詳細/自立型の避雷突針支持管の取付け/ 避雷設備の設置極の取付け 付録1 検査等に用いる各種書類・図の例 付録2 電気用図記号
良かった点
「わかりやすさ」は ☆☆☆☆ 4点
「コスパ」は☆☆☆☆☆ 5点満点 と 高評価にしました。
私が電気設備初心者目線ということもありますが、
”内容が非常に充実していて実務にすぐ役立つ”
このポイントが コストパフォーマンス・満足度に直結しています。
(3,000円切っているのも素晴らしい!)
特に、「電気設備の設計者」は、「計算をして図面をかく」のがメインの仕事ですから
ドンピシャ本になると思います。
良かった点 ① 実務にすぐに役に立つ! ”図面のかきかた・計算事例” が わかりやすく整理されている ② 各章すべて、”非常にコンパクトで分かりやすく” まとめられている ③ ”図・表”による表現が豊富・丁寧な解説付きで初心者でも分かりやすい
いまいちだった点
「情報量」は ☆☆☆ 3点 、「最新/唯一性」 は ☆☆ 2点としました。
「情報量」は、初心者の方にとっては十分だと感じますが、
より深く電気設備を学びたい人(熟練者)にとっては少し物足りないと感じてしまうかもしれません。
「最新/唯一性」は、初心者向けの本ではしょうがないことですが、
この本しか分からない情報は、あまり載っておらず、他書をたくさん持っている方には
必要のない本と思ってしまうかもしれません。
いまいちだった点
① すでに数冊電気設備の本を持っている方は、物足りない内容になるかも
② すでに電気設備の実務を何年も経験している人にとっては、知ってる内容かも
まとめ
電気設備に携わるさまざまな方にとって、素晴らしい入門書となる様な ”電気設備実用書” でした。
中級者の方も、初心者の方への教育教材として、とてもピッタリな本となるのではないでしょうか。
感想と独り言
最近の入門書は、本当にどれもクオリティが高いですが、
電気設備にいたっては、この本がベストな書籍ではないでしょうか。
電気設備はいろんな携わり方がありますが、本書の序章では
”電気設備の実務の流れ” ”電気設備技術者の各立場における役割” が解説されています。
こういった「ただの知識本」とならずに、”実務への活用”を意識・配慮されている点は、
本当に素晴らしいと感じました。
是非、空調・衛生分野でも同じタイプの書籍がでるのを願うばかりです。
気になった方は是非手にとってみてください。