<書籍>絵とき 電気設備の設計・施工実務 早わかり 改訂2版

建築設備の専門書
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基本データ

タイトル   : 絵とき 電気設備の設計・施工実務早わかり 改訂2版

著者     : 田尻 陸夫[編]

出版社    : オーム社

発売年月   : 2020年7月17日

定価金額   : 2,600円+税

コスパ    : ★ ★ ★ ★ ★

情報量    : ★ ★ ★ ☆ ☆

最新/唯一性  : ★ ★ ☆ ☆ ☆

読みやすさ  : ★ ★ ★ ☆ ☆

わかりやすさ : ★ ★ ★ ★ ☆

(見方💡)
 コスパ    : 価格に対しての満足度
 情報量    : ページ数や載ってる専門情報量(物理量)
 最新/唯一性 : 他の本には載ってない様な新しさがあるか?
           載ってる情報そのものが古くないか?
 読みやすさ   :  本の構成やデザインが見やすいか?(写真・図・表)
 わかりやすさ :  頭に入りやすい内容か?

概要

「電気工事に携わる技術者」「ビル管理技術者」

「電気設備の設計者」 「電気専門分野の学生」  へ向けた、

「電気設備の設計・施工実務の入門書」となっています。

電気設備の設計・施工・維持管理の実務において役立つポイントを

初心者にもわかりやすく”図・表”を豊富に用いて解説されています。

また、”建築設備士”の資格取得の受験参考書にもなるように考えて、

編集されているとのことで、”電気設備に関わる方に幅広く活用”いただける本となっています。

本の構成

大きく3つの章に分かれています

第1章は、「建築設備の設計」として、延べ床面積 10,000㎡以下のビルにおける

”図面の作成と表現” を想定してまとめられています。

第2章は、基本計画図・設計図・施工図の作成に必要な”計算方法”

図・表・事例でまとめられています。

第3章は、実務経験の少ない人に参考となるように、

各設備の”施工図例”などの資料が掲載されています。

1. 建築電気設備の設計
 1.1 作図の準備
  電気設備の設計図/建築図面の入手と見方/建築図面の略号と図記号/
  電気設備平面図の作り方/確認申請に必要な図面
 1.2 電力設備1 電灯コンセント設備
  照明の設計手順と規定/光源の種類と特性/照明器具の種類/照度の計算/
  照明器具の配置と器具選定の目安/スイッチの種類と設計/
  天井配線の方法と表現方法/非常用照明と誘導灯の配線設計/
  コンセントの種類と設計/伝統コンセント用分岐回路の設計/伝統コンセント配線
  分電盤図/照明器具図
 1.3 電力設備3 その他の電力設備
  動力配線図/制御盤図/幹線設備図/受変電設備図/発電機設備図と蓄電池設備図/
  避雷設備図/エレベータ設備図
 1.4 情報通信設備
  電話設備の設計/電話配管図/その他の弱電設備図/弱電設備系統図/
  自動火災報知設備図
 1.5 資料例
  工事の区分/設計図のチェックリスト/その他資料
2. 建築電気設備の実務計算
 2.1 設備容量の算定
  電気設備の概算容量(1)/電気設備の概算容量(2)/契約電力容量/
  電灯コンセント用変圧器容量/動力用変圧器容量/コンデンサ容量/
  発電機容量/蓄電池容量
 2.2 回路の計算
  高調波流出電流と高調波抑制対策/短絡電流/幹線の電圧降下/
  動力用幹線電流と幹線太さ/集合住宅の幹線電流/電線・ケーブルの許容電流/
  幹線分岐/CVケーブルの地絡電流と短絡許容電流/バスダクトの電圧降下・
  短絡電流・漏洩磁束/不平衡電流
 2.3 照明の計算
  平均照度法/非常用照明
 2.4 情報通信設備の計算
  電話回線数・配管概略算定法と放送設備/テレビ共同受信システム
 2.5 部材と強度の計算
  耐震用アンカーボルト/プルボックス/ケーブルラック/
  避雷突針支持管の風圧強度/接地抵抗
 2.6 その他の電気設備の計算
  エレベータ/その他電気設備計算実務
3. 図例集
 3.1 電気の引込み
  高圧配電架空引込み/高圧配電地中引込み/高圧配電用高圧キャビネットの据付/
  低圧配電引込図
 3.2 受変電設備
  キュービクル変電設備の設備図/キュービクルの各部寸法と重量/
  キュービクル基礎部分
 3.3 発電機設備
  発電機の設備図/防災用ディーゼルエンジンの冷却方式
 3.4 幹線設備
  幹線の横引き部分/集合住宅の幹線シャフト/防火区画の耐火処理/
  エキスパンション部分の配線
 3.5 動力設備
  電動機への配線/電極の取付けと配線/動力制御盤の取付けと屋外への配線
 3.6 電灯コンセント設備
  床埋設配管/分電盤の取付け/分電盤周辺の配線/床配線/
  ホテルの客室電灯配線/ホテルの間仕切壁の遮音対策配線/
  寮室の電灯コンセント配線/プレハブユニットケーブルの配線/
  病室のユニットケーブル配線/和室のコンセント取付け/
  工場の防爆配線/クリーンルームの電灯コンセント配線/
  クリーンルームの電気設備取付け/クリーンルームの照明器具
 3.7 電話設備
  電話架空引込み/電話地中引込み/光ファイバーケーブルの引込み/
  電話用屋内配管
 3.8 視聴覚設備
  ホールの電灯配線/ホールのAVシステム/ホールのAVシステム配線/
  視聴覚室のAVシステム
 3.9 テレビ共同受信設備
  テレビ共同受信設備系統/テレビアンテナの取付け
 3.10 セキュリティ設備
  自動火災報知設備の感知器の取付け/光電式分離型煙感知器の取付け/
  防犯センサの取付け
 3.11 避雷設備
  避雷設備の各部詳細/自立型の避雷突針支持管の取付け/
  避雷設備の設置極の取付け
付録1 検査等に用いる各種書類・図の例
付録2 電気用図記号   

良かった点

「わかりやすさ」は ☆☆☆☆ 4点 

「コスパ」は☆☆☆☆☆ 5点満点 と 高評価にしました。

私が電気設備初心者目線ということもありますが、

”内容が非常に充実していて実務にすぐ役立つ” 

このポイントが コストパフォーマンス・満足度に直結しています。

(3,000円切っているのも素晴らしい!)

特に、「電気設備の設計者」は、「計算をして図面をかく」のがメインの仕事ですから

ドンピシャ本になると思います。

良かった点
① 実務にすぐに役に立つ! ”図面のかきかた・計算事例” が
   わかりやすく整理されている
② 各章すべて、”非常にコンパクトで分かりやすく” まとめられている
 ”図・表”による表現が豊富・丁寧な解説付きで初心者でも分かりやすい

いまいちだった点

「情報量」は ☆☆☆ 3点 、「最新/唯一性」 は ☆☆ 2点としました。

「情報量」は、初心者の方にとっては十分だと感じますが、

より深く電気設備を学びたい人(熟練者)にとっては少し物足りないと感じてしまうかもしれません。

「最新/唯一性」は、初心者向けの本ではしょうがないことですが、

この本しか分からない情報は、あまり載っておらず、他書をたくさん持っている方には

必要のない本と思ってしまうかもしれません。

いまいちだった点
① すでに数冊電気設備の本を持っている方は、物足りない内容になるかも
② すでに電気設備の実務を何年も経験している人にとっては、知ってる内容かも

まとめ

電気設備に携わるさまざまな方にとって、素晴らしい入門書となる様な ”電気設備実用書” でした。

中級者の方も、初心者の方への教育教材として、とてもピッタリな本となるのではないでしょうか。

まとめ

① 電気設備の実務をこれから行う方にとって、これ以上ない”教科書”

② すぐに役に立つ、”計算方法・図面のかきかた・表現方法” を学べる

③ 低価格でコンパクトに、かつ分かりやすい本構成。ベテランには物足りないかも

感想と独り言

最近の入門書は、本当にどれもクオリティが高いですが、

電気設備にいたっては、この本がベストな書籍ではないでしょうか。

電気設備はいろんな携わり方がありますが、本書の序章では

”電気設備の実務の流れ” ”電気設備技術者の各立場における役割” が解説されています。

こういった「ただの知識本」とならずに、”実務への活用”を意識・配慮されている点は、

本当に素晴らしいと感じました。 

是非、空調・衛生分野でも同じタイプの書籍がでるのを願うばかりです。

気になった方は是非手にとってみてください。

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