(見方💡)
コスパ : 価格に対しての満足度
情報量 : ページ数や載ってる専門情報量(物理量)
最新/唯一性 : 他の本には載ってない様な新しさがあるか?
載ってる情報そのものが古くないか?
読みやすさ : 本の構成やデザインが見やすいか?(写真・図・表)
わかりやすさ : 頭に入りやすい内容か?
概要
クリーンルームの設計ってどうやったらいいの???
クリーンルームとは、字のごとく「清浄度が高く、汚染物質が少ない室」のことを意味します、
またそれだけでなく、「温度・湿度・圧力・静電気・振動・電磁波」など、あらゆる環境要素
を厳しく制限・管理する必要があることが多く、”設計するのが難しい” 部屋とされています。
クリーンルームといっても様々な用途・種類があり、たとえば
「精密電子部品(半導体)の組立室」「医療系の手術室」「化学薬品系の実験室」
など、種類や目的によって必要となってくる要素が異なってきます。
そんな ”複雑で難しい!” クリーンルームの設計・施工方法を解説している専門書となっています。
本の構成
本書は、Q&A方式となり、基本は見開き1ページで完結しているので、
自分の知りたい項目だけでも、すぐに調べて知ることができます。
≪発刊にあたり≫ ≪Part1 基本編≫ Ⅰ. ICR(インダストリアルクリーンルーム)とは Ⅱ. BCR(バイオロジカルクリーンルーム)とは Ⅲ. 清浄度クラスとは Ⅳ. 微粒子とは Ⅴ. クリーンルームの4原則とは Ⅵ. 室圧とは Ⅶ. 局所清浄化とは Ⅷ. 交差汚染(クロスコンタミネーション)とは Ⅸ. 静電気障害と対策とは Ⅹ. ユーティリティ設備・中央監視設備 Ⅺ. 装置の諸元表とは Ⅻ. 検収試験とは ≪Part2 空気浄化システム編≫ Ⅰ. フィルタ効率と寿命とは Ⅱ. クリーンルームの清浄度計算方法とは Ⅲ. 換気回数と清浄度の関係とは Ⅳ. 室圧と清浄度の関係とは Ⅴ. 気流性状とは Ⅵ. 空気清浄化システムとは Ⅶ. 廃棄処理設備とは Ⅷ. 空調機器の決め方とは Ⅸ. 熱源システムの省エネルギーとは Ⅹ. 搬送システムの省エネルギーとは ≪Part3 内装システム編≫ Ⅰ. クリーンルームのレイアウトとは Ⅱ. クリーンルーム内装とは Ⅲ. クリーンルームの天井とは Ⅳ. クリーンルームの間仕切りとは Ⅴ. クリーンルームの床とは Ⅵ. クリーンルームの躯体処理とは Ⅶ. 内装の振動対策とは Ⅷ. 内装の耐震設計とは Ⅸ. クリーンルームの施工管理とは ≪Part4 機器・機材編≫ Ⅰ. 前室とは Ⅱ. 無塵衣とは Ⅲ. クリーンベンチとは Ⅳ. 一方向流とは Ⅴ. 非一方向流とは Ⅵ. 混在流型 Ⅶ. クリーンブースとは Ⅷ. エアフィルタとは Ⅸ. ケミカルエアフィルタとは Ⅹ. FFUとは Ⅺ. クリーンルームの清掃機材とは Ⅻ. パスボックスとは ⅩⅢ. 差圧ダンパとは
≪Part5 性能評価編≫ Ⅰ. クリーンルームの性能評価とは Ⅱ. 浮遊粒子濃度試験とは Ⅲ. 分子状汚染物質濃度試験とは Ⅳ. 気流、風速試験とは Ⅴ. フィルタリーク試験とは Ⅵ. 微生物測定試験とは ≪Part6 応用分野編≫ Ⅰ. 最新クリーンルームとは Ⅱ. ≪半導体関連≫ 半導体工場向け搬送設備とは Ⅲ. ≪半導体関連≫FOUPとは Ⅳ. ≪FPD関連≫FPDのクリーンルームとは Ⅴ. ≪FPD関連≫FPDの静電気対策とは Ⅵ. ≪二次電池関連≫ドライルームとは Ⅶ. ≪食品関連≫食の安全とは Ⅷ. ≪食品関連≫HACCPとは Ⅸ. ≪食品関連≫防虫対策とは Ⅹ. ≪医薬品関連≫GMPとは Ⅺ. ≪医薬品関連≫バリデーションとは Ⅻ. ≪医薬品関連≫PIC/S GMP対応とは ⅩⅢ.≪医薬品関連≫RABSとは ⅩⅣ.≪動物飼育施設関連≫ 動物飼育施設とは ⅩⅤ.≪そのほかバイオ関連≫ 安全キャビネットとは ⅩⅥ.≪その他バイオ関連≫ 安全キャビネットとは ⅩⅦ≪その他バイオ関連≫ アイソレーターとは ⅩⅧ≪その他バイオ関連≫ 除染とは ⅩⅨ≪その他バイオ関連≫ 落下菌測定法とは ⅩⅨ≪その他バイオ関連≫ 再生医療CPC施設とは
良かった点
「コスパ」「最新/唯一性」を☆☆☆☆4点と高得点に評価しました。
類似本って一応あるにはあるのですが、2008年と2013年発行で少し古い書籍となっています。
そんな中で、今回は同タイトル2015年版からの5年ぶりの改訂版ということで
類似本のなかでも1番最新のものとなっています。
良かった点
① クリーンルームに特化した本がまず少ないので価値が高い
② Q&A方式で、1つ1つの用語を丁寧に解説
③ クリーンルーム以外の設計にも生かせる知識・技術がたくさんある
いまいちだった点
「読みやすさ」は☆☆☆3点だけど、「わかりやすさ」を☆☆2点にした理由は、
やはり内容が難しいからです。これだけ見やすい構成でも、”専門用語の数” ”覚えるべき項目”
の多さは他の用途建築に比べて遥かに多く、あらためてクリーンルーム設計の難しさを感じました。
いまいちだった点 ① Q&A方式や写真・図・表がおおく見やすいけど、”フルカラー”だったら もっと読みやすくなって、理解のしやすさかったかもしれない ② 最近増えている”電子書籍版”も発売してくれると、もっと手軽に みることができて理解のしやすくなるかもしれない
まとめ
クリーンルームの設計・施工について、1つ1つ丁寧な解説がされている専門書でした。
クリーンルームに携わる人にとっては”必携本”になると思います。
感想と独り言
私はまだクリーンルームの設計をしたことがなく、勉強のために購入しました。
正直難しい内容が多くて、あらためて複雑さ・難しさを感じました。
ただし、他書にはなかなか解説されていない専門用語がとてもわかりやすく説明されているので、
勉強になることの方が多かったです。この記事を書いているときはまだまだですが、
今後もこの本と一緒に成長できたらいいなと思っています。
同じように悩んでいる方や購入を検討している方の参考になれば嬉しいです。