
タイトル : 環境デザインマップ 日本 ENVIRONMENTAL DESIGN MAP JAPAN
著者 : 一般財団法人 建築設備綜合協会 環境デザインマップ編集委員会[編]
秋元孝之(芝浦工業大学教授)[監修]
出版社 : (株)総合資格[発行] 図書印刷(株)[印刷]
発売年月 : 2018年6月25日
定価金額 : 1,900円+税
コスパ : ★ ★ ★ ★ ☆
情報量 : ★ ★ ☆ ☆ ☆
最新/唯一性 : ★ ★ ★ ★ ★
読みやすさ : ★ ★ ★ ★ ★
わかりやすさ: ★ ★ ★ ★ ★
(見方💡)
コスパ : 価格に対しての満足度
情報量 : ページ数や載ってる専門情報量(物理量)
最新/唯一性 : 他の本には載ってない様な新しさがあるか?
載ってる情報そのものが古くないか?
読みやすさ : 本の構成やデザインが見やすいか?(写真・図・表)
わかりやすさ : 頭に入りやすい内容か?
概要

環境に配慮した省エネ建物は、どこ行けば見れるの??
本書のテーマである「環境デザイン」のコンセプトは、
自然の持つ力を取り入れる工夫と、効率のよい高性能な設備機器の活用
それらをバランスよく同時に実現すること
本書は、日本全国にある優れた”環境デザイン”を取り入れた”新旧”の建物をピックアップ
本書がもつ読者への願いは、
『このデザインマップを片手に日本全国の街に出かけて、
そこで出会った建築を観て、そしてそこに仕組まれた環境デザインの深みを感じて欲しい』
と記されています。
”建築物の所在地”がわかりやすい地図(マップ)とともに紹介されているので、
本当に片手にもって見に行けるガイドブックとなっていて面白いです。
本の構成
本書の構成はいたってシンプル、各地域ごとにデータベースブックとして並んでいるので
非常に読みやすい構成となっています。「読む」というよりは「見る」に特化しています。
それぞれの合間ににコラムが挿入されていて、
建築設備への関心・理解が更に深められるような工夫も凝らされています
人と建築が交感する 建築設備の基礎知識 環境建築のエポックメーキング作品 環境と住宅 第 1章 北海道エリア (9件) 第 2章 東北エリア (7件) 第 3章 東京エリア (33件) (コラム 設備設計者の役割) 第 4章 神奈川エリア (10件) (インタビュー 生きた教材として活用される環境建築) 第 5章 その他関東エリア (11件) (コラム 脱炭素化のための住宅における環境技術) 第 6章 東海エリア (16件) (インタビュー デザインとエンジニアリングの融合) 第 7章 信越・北陸エリア (10件) 第 8章 関西エリア (18件) 第 9章 中国・四国エリア (6件) 第10章 九州エリア (9件) (インタビュー エネマネハウスへの挑戦) 第11章 沖縄エリア (5件)
良かった点
「最新/唯一性」「読みやすさ」「わかりやすさ」 ☆☆☆☆☆5点満点 です。
まず、今までこういった”オシャレで見やすい本”は、設備の専門書では見られなかったのと
”マップ”に重きを置いたものは他に無かったので、高評価としています。
発行元である、(株)総合資格は資格取得の予備校(塾)として有名です。
さまざまな参考書・テキストの発行をしているので、見やすい構成については
その経験・ノウハウが発揮されているのかもしれません。
<良かった点> ① 「あ、近くにこんな建築があったんだ」 新たな発見が生まれる”マップ本” ② 地方・地域ごとの省エネ建築の”特色”が垣間見える ③ フルカラー(写真イラストが豊富)で片手で持てるコンパクトさ 環境デザイン建築が集約されたインデックス本
いまいちだった点
「情報量」は ☆☆2点としましたが、特別不満ではなく、”見やすさの裏返し”となります。
本書は、良かった点に書いた通り、かなり”ページ体裁・表現方法を統一”しています。
そのため、「作品によっては記述を限定しているものもある」と記載されているので
致し方ないところ、かと思います。
<いまいちだった点> ① ページ数,構成の都合で、各作品の解説はかなりコンパクト ② QRコードなどを付けてスマホの地図アプリと連動できたらもっと面白い
まとめ
環境デザイン建築作品をあつめてマップ本として整理した、オシャレ本でした。
本のテーマ・コンセプトが非常に明快で完成度が高いので、
評価項目は高得点ばかりになってしまいました。値段も手ごろなのでオススメしやすい書籍です。
<まとめ> ① 「環境デザイン建築」を実際に見に行ける! マップ・写真・解説付きのオシャレ本 ② 地方・地域の自然を活かした環境デザインを学べる1冊 ③ 解説はコンパクトだけど、新旧の環境デザイン建築を知るきっかけになる
感想と独り言
デザインマップって、環境設備分野で初めての書籍でした。
意匠(デザイナー)向けでは、よくあるタイプのものなのですが、
なんといっても”興味をもつ,きっかけ”を与えてくれる本だと思います。
『百聞は一見にしかず』ですし、実際に見に行くことで『記憶への定着』もあがります。
読んでいてワクワクする感じは、他書ではなかなか味わえないものです。
それと、設備は一見すると、”配管・ダクト”などのイメージで、
天井裏に隠れたものたちなので、『完成している建物を見に行く』概念があまりありません。
しかしながら、『環境デザイン』の名の通り、
『デザイン(見た目)と設備の機能性を”融合・調和”』したものも
世の中には多くありそういったものは、実際に見に行く価値があると思いました。
そういう意味では、意匠設計担当(デザイナー)の方にも読んでいただきたい本ですね。
興味をもった方は是非、手に取ってみてください。
