<書籍>空調・換気・排煙設備 工事読本

建築設備の専門書
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基本データ

タイトル  :  空調・換気・排煙設備 工事読本

         空調衛生設備技術者必携 読みかえしてみて眼からうろこが落ちた

著者    :  安藤紀雄・瀬谷昌男・堀尾佐喜夫・水上邦夫[共著]

出版社   :  日本工業出版

発売年月  :  2019年3月1日

定価金額  :  3,500円+税

コスパ   :  ★ ★ ★ ☆ ☆

情報量   :  ★ ★ ★ ★ ☆

最新/唯一性 :  ★ ★ ☆ ☆ ☆

読みやすさ :  ★ ★ ☆ ☆ ☆

わかりやすさ:  ★ ★ ☆ ☆ ☆

(見方💡)
 コスパ    : 価格に対しての満足度
 情報量    : ページ数や載ってる専門情報量(物理量)
 最新/唯一性 : 他の本には載ってない様な新しさがあるか?
           載ってる情報そのものが古くないか?
 読みやすさ   :  本の構成やデザインが見やすいか?(写真・図・表)
 わかりやすさ :  頭に入りやすい内容か?

概要

日本工業出版が発売している「空調衛生設備技術者必携シリーズ」第3弾となります。

(第1弾は、【試運転調整業務の実務知識】、第2弾は、【建築設備配管工事読本】)

著者のコメントより、第3弾となる【空調・換気・排煙設備 工事読本】は、1弾・2弾と

比べて、”マクロな視点(総括的事項)”をもつ実務上有益な図書を目指したコンセプトの様です。

できるだけ読みやすくするための工夫として、文章と数式だけの難しい専門書ではなく

 ・柔らかい図および表を数多く挿入

 ・専門用語は【技術用語解説】欄を掲載

 ・その他にも【知っておきたい豆知識】、【想定外のトラブル】、

  【他書には載っていない、ノウ・ハウ】などのコーナー掲載

などを凝らしていて、”読者にも配慮をした実用書”になっています。

本の構成

第1話 空気調和設備:入門編
 1.1 空気調和設備とは?
 1.2 必須:湿り空気線図の知識
 1.3 冷房の現地・暖房の原理および室内気流分布
第2話 空気調和設備:寄り道編
 2.1 建築計画と空気調和設備
 2.2 空気調和負荷とその計算法
 2.3 空気調和と地球環境問題
 2.4 空気調和方式と空調設備の基本構成
 2.5 空調方式の分類とその利用機器
 2.6 暖房設備
第3話 空調用熱源機器に関する知識
 3.1 空調用冷温熱源設備機器とは?
 3.2 冷熱源設備機器
 3.3 冷凍機の種類
 3.4 蒸気圧縮式冷凍機の冷凍サイクル
 3.5 蒸気圧縮式冷凍機の種類
 3.6 吸収冷凍機の冷凍サイクル
 3.7 吸収冷凍機の種類
 3.8 ヒートポンプ冷凍機
 3.9 冷却塔
 3.10 空調用温熱源設備機器
 3.11 熱交換器
 3.12 共通機器:ポンプ編
 3.13 共通機器:送風機編
第4話 空気調和機に関する知識
 4.1 空気調和機とは?
 4.2 空気調和機の分類
 4.3 空気調和機の種類
 4.4 デシカント空調機
 4.5 空気調和機を腑分けする
 4.6 空調機の「機内静圧」と「機外静圧」
第5話 工事施工管理上の必須知識
 5.1 工事施工管理とは?
 5.2 工事施工計画の策定
 5.3 工事品質管理の要点
 5.4 工事工程管理の要点
 5.5 工事安全管理の要点
 5.6 工事原価管理の要点
 5.7 工事施工管理の要点
 5.8 設備工事の工業化工法
第6話 ダクト設備工事の必須知識
 6.1 ダクト設備工事とは?
 6.2 日本におけるダクト工事の変遷小史
 6.3 ダクト設備工事の種類
 6.4 ダクトサイズの決定法
 6.5 日本におけるダクト呼称と圧力範囲
 6.6 亜鉛鉄板製ダクトの強度と板厚
 6.7 ダクト設計・施工上の留意点
 6.8 送風機まわりのダクト施工
 6.9 ダクトからの空気漏洩とシール作業
第7話 配管設備工事の必須知識
 7.1 配管設備工事とは?
 7.2 空調設備配管の分類
 7.3 空調設備用配管材料
 7.4 配管工事を支える補助部材
 7.5 配管材料別配管加工およびその接合法
 7.6 配管工事:施工上のべからず集
第8話 換気設備工事
 8.1 換気設備工事とは?
 8.2 なぜ換気が必要なのか?
 8.3 換気方法の種類
 8.4 全体換気方式と局所換気方式
 8.5 必要換気量の計算法
 8.6 局所換気と排気フード類
 8.7 「空気齢」と「換気効率」
 8.8 換気に関する法規259
第9話 排煙設備工事
 9.1 排煙設備工事とは?
 9.2 防火区画と防煙区画
 9.3 排煙方式の種類
 9.4 排煙チャンバー方式の排煙設備
 9.5 特殊な排煙方式
 9.6 排煙設備の設置対象場所
 9.7 排煙設備設計・施工上の留意点
第10話 保温・保冷工事
 10.1 保温・保冷工事とは?
 10.2 代表的な保温・保冷材料
 10.3 保温・保冷材料の選定上の留意点
 10.4 保温材・防露材の必要な保温材厚さ
 10.5 保温・切れ宇・防露工事の留意点
 10.6 熱橋(サーマル・ブリッジ)
第11話 塗装工事
 11.1 塗装工事とは?
 11.2 塗装施工必要箇所
 11.3 塗料の分類
 11.4 塗料の種類
 11.5 塗料の耐久性
 11.6 塗装工事の施工要領
第12話 自動制御設備工事
 12.1 自動制御設備とは?
 12.2 自動制御の基本概念
 12.3 自動制御の動作原理
 12.4 自動制御の動作原理
 12.5 自動制御システムの例
 12.6 DDC方式
 12.7 ビル中央監視装置
 12.8 自動制御の更新時の注意点
 12.9 自動制御技術の今後の課題と動向
第13話 試運転調整業務
 13.1 試運転調整業務とは?
 13.2 試運転調整業務の意義・目的・種類
 13.3 空調設備試運転調整業務:留意点精選12
 13.4 送風系の風量調整法の種類とその特徴
 13.5 試運転調整業務の想定外のハプニング
 13.6 各種性能計測および測定機器類
第14話 顧客への引渡し業務
【付録】

良かった点

「情報量」は ☆☆☆☆ 4点と高評価としました。

本の構成をご覧いただくと分かる通り、”空調設備”の非常に広い範囲をまとめられています

<良かった点>
① ”経験豊富な技術者の視点”で、重要なポイント,必要な知識を凝縮

② 専門用語,コラム,イラスト,表・グラフが多数挿入されている
 施工管理(安全・品質)から試運転調整業務まで、
   設計担当だけでなく工事施工社・維持管理者まで活用できる情報を集約

いまいちだった点

「最新/唯一性」「見やすさ」「わかりやすさ」は ☆☆ 2点としました。

少し厳しめと言えますが、個人的な評価ですので、参考程度に解釈ください。

<いまいちだった点>
① 説明文とイラストにすこし“クセ”があるので
   人によって読みやすさの感じ方が分かれる

② あまりに多くの情報を詰め込んでいるため、
   1つ1つの専門知識情報は他書に載っているものが多い

 同シリーズ、【試運転調整業務の実務知識】
  【建築設備配管工事読本】と重複する内容も多い

①については、ブログ内で表現するのが難しいですが、

「~と思われる」「~とすること!」「~するべからず!」「~比喩(四字熟語)である」

の様に、著者らの熱い想いから、一般書籍の文表現と少し違う点があります。

イラストについては、”手書きタッチ”のため、

”少しよれた直線” ”線の太さ表現はなし” ”モノクロ” であることを

理解しておいてください。

※ ”手書きタッチ”の方が、要点が伝えやすい部分もありますので

  一概に批評している訳ではありません

まとめ

空調設備分野の技術を1冊に集約した技術者必携の読本でした。

もし手にとって気に入られた方は、同シリーズで他の書籍も是非おすすめです。

<まとめ>
① 他書にはない経験豊富な技術者視点で空調設備が語られている

② 専門用語解説,コラム,イラスト,表・グラフの豊富さで見やすさ配慮

  総括的にまとめることに重きを置いているので深く突っ込んだ記述は少ない

感想と独り言

同シリーズの記事でも同じことを書いてしまうと思いますが、

私のあくまで個人的な感想としては、「眼からうろこ」は落ちませんでした。

もちろん知らない情報もいくつかはありましたので、勉強になったのですが、

少しタイトルの意味が強すぎて、期待しすぎてしまったところがあります。

そして、評価のところでも説明しましたが、

”少しクセ”があります。最近の綺麗に体裁が整った専門書・文章を読むのに慣れていると

少し戸惑いがあるかもしれません。

初心者向け、というよりは中級者向けのイメージです、

ただし、情報量については本当にたくさんのポイントが集まっているので

1冊持っておいて損はないと思いました。

興味をもった方は是非、手に取ってみてください。

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