<書籍>設備のしくみを徹底解剖空気調和入門 熱負荷計算編(オーム社)

建築設備の専門書
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基本データ

タイトル   : 設備のしくみを徹底解剖 空気調和入門 熱負荷計算編

著者     : 立田 敏明[著]

出版社    : オーム社

発売年月   : 2020年5月15日

定価金額   : 3,600円+税

コスパ    : ★ ★ ☆ ☆ ☆

情報量    : ★ ★ ★ ☆ ☆

最新/唯一性  :  ★ ★ ★ ☆ ☆

読みやすさ  : ★ ★ ★ ★ ★

分かりやすさ : ★ ★ ★ ★ ★

 (見方💡)
 コスパ    : 価格に対しての満足度
 情報量    : ページ数や載ってる専門情報量(物理量)
 最新/唯一性 : 他の本には載ってない様な新しさがあるか?
           載ってる情報そのものが古くないか?
 読みやすさ   :  本の構成やデザインが見やすいか?(写真・図・表)
 分かりやすさ :  頭に入りやすい内容か?

概要

『空気調和「超」入門』の続編となる『熱負荷計算編』となります。

本書は、裏表紙のコメントしてある

“教科書には載ってない空気調和のキホンを丁寧に綴った本”

まさに!そのキャッチフレーズ通り!

「熱負荷計算」といえば、「空調設計技術者」にとっては

“基礎中の基礎”、“設計の根幹”とも言えるので、

初心者のみが対象?」

と思われがちですが、

中級者・ベテラン技術者の方にも参考になる1冊だと思います

本の構成

本書は、前半と後半で大きく分かれています

前半の本書メインである [1. 熱負荷計算]では、

  ・熱負荷計算のアウトライン(全般)を網羅し体系的に記述

  ・日本全国の熱負荷計算(手計算)を実用的に記述

  ・典型的な計算例を挙げ、原単位[W/m2]を概略計算する手順を記述

  ・熱負荷から空調用送風量を求める過程を熱的に厳密に記述

といったメニューになっています。

後半はボリュームはすくないですが、[2. リノベーション]として、

  ・空調システムの不具合を整理し、その解決策を分析し、

  ・大規模改修の内容を決める手順および手法を具体的に記述

  ・空調設備の全面改修工事の需要の増大予測について記述

といった内容になっています。

 [1. 熱負荷計算]
  1. 空調設計と流れと熱負荷計算
  2. 設計条件と熱負荷計算データ
  3. 外壁面、屋根面、内壁面からの熱負荷
  4. ガラス窓の熱負荷
  5. 室内発熱の熱負荷
  6. 起動時の熱負荷
  7. 搬送系の熱負荷
  8. 熱負荷計算と空調送風量の計算
  9. 熱負荷計算の記入様式
 [2.リノベーション]
  1. 空調のリノベーション計画と新設計画との違い
  2. 空調システムの機能劣化とその進行
  3. リノベーション調査・診断と手法
  4. リノベーション独自の施工
  5. リノベーション対象床面積の統計試算 

良かった点

「読みやすさ」「わかりやすさ」を☆☆☆☆☆5点満点としました。

評価は私の感じたままですが、満点の理由を説明します。

<読みやすさ>  「大型本で文字が大きく、メリハリのあるフォント使いが見やすい」

         「役立つ”表”がたくさんまとめられていて、理論詰めの文章だけにならない構成」

<わかりやすさ> 「熱負荷計算の要素1つ1つを丁寧に解説」

         「用語の定義、計算式の解説がたくさんあり、初心者でも理解できる」

以上のポイントを大きく評価しました。

本書はカラー印刷では無く、モノトーン印刷ですが、上のポイントのおかげで

”大変わかりやすく” かつ ”読みやすい” と誰もが感じると思います。

良かった点
① 文字・表が大きく、”メリハリのある文章表現”でとても見やすい
② 計算要素を”丁寧かつ詳細”に解説してくれるので、初心者でも理解しやすい

いまいちだった点

「情報量」が☆☆☆ 3点 、「最新/唯一性」を ☆☆ 2点としました。

評価の理由を説明します。

<情報量> 「狭い範囲を深掘りした本なので、本全体の情報量としては少し物足りない」

<最新/唯一性> 「熱負荷計算 自体は新しいものではないので新しい情報はあまり無い」

それと評価項目にはありませんが、最近の書籍には付録として「計算用エクセルデータ」の配布

が付いていたりするので、手計算事例だけでなく実践・演習編として付いていたらもっと評価が高かったかもしれません。

いまいちだった点
① 熱負荷計算にフォーカスした本なので、狭い範囲の情報しかない
② エクセルデータの付録はついていない

まとめ

空調設計の基礎としての教科書、「熱負荷計算」をテーマにした書籍でした。

初めて読む人を想定して作られており、文章表現や図・表の構成もとても

見やすい内容となっています。

まとめ

① 熱負荷計算の計算項目を、1つ1つ丁寧に解説した読みやすい書籍

② 過去の書籍のデータ・表が1冊に集約されているので、これ1冊あればOK

③ 初心者の方はもちろん、熟練者の方も復習になるのでオススメ

新しい発見や設備設計のガイド本として活用いただけると思います。

感想と独り言

熱負荷計算は、設備設計を行う人が誰もが学ぶ登竜門ですが、

「非定常計算」「動的負荷計算」「TACデータ」「非空調・隣室との温度差係数」

「方位蓄熱負荷」「すきま風負荷」

などの“普段の実務ではあまり深掘りされない計算要素“を、

空調衛生便覧他、様々な文献データを集約して、わかりやすく整理されているので、

“知っている情報は確かに多いかもしれないけど、

新しい発見・忘れていたキーワードの復習“

として大きな意味を果たしてくれる本でした。

第2章のリノベーション計画も

ページ数はそこまでボリュームはありませんが、

近年の設備更新・設備改修工事の計画にあたって有益な情報が多く含まれています。

例えば、「調査方法・計画立案方法・予防保全/部品交換の考え方・改修ならではの工法」

など、とても分かりやすくまとめられていて、すぐに役にたつ内容になると思います。

ここからは個人的な見解です、

「熱負荷計算」“野球”に例えると「ストレート」みたいなもの。

誰でも投げられるし、初めて覚える球種だけど、

”ちゃんと本質を理解して、ストライクゾーンの狙った位置に正確に投げる”

これは中々難しい、そしてピッチャーの生命線としての球種。そんな気がします。

気になる方は是非、手に取ってみてください

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